パノラマサイズ 2009/05/09_Sat_16:01

ずいぶん暖かくなりました。ふらりと出かけて、スケッチのひとつでもしたいところです。水彩、クロッキー、木炭、色鉛筆、薄墨で描くのもいいですね。でも、画材の持ち運びを考えると何かと大変。なにかスマートに扱えるものはないのかなー、と百均や画材屋でついつい考えて気の利いたものを探してしまいます。

たまたま見かけたこのスケッチブック。どうでしょう。なんだか惹かれて買ってしまいました。行楽シーズン真っ只中に、思い出をカメラで残すのもいいですが、描くことで見える、感じるものがたくさんありますよね。何か描いてみようかなぁと思わせてくれた楽しいモノを久しぶりに見つけました。

シアンの表紙が美しい、ながほそーいスケッチブック。仕事の用事でたまたま向かった画材屋においてありました。「描くなら、でっかく描く」のが絵画の醍醐味かもしれませんが、こういった手軽なところから楽しむのもいい

ですよね。「Sketch　Book　PANORAMA SIZE　bism｣という商品。はじめてみました。

中を開けると上がくっついていて、上下に開きます。ノートを使うように、横開きではなない感じが新鮮です。糸で綴じているわけではないので、一枚ずつ簡単に剥がせそうですが、なかなかしっかり接着してあります。紙の厚みも横長いからでしょうか、しっかりした厚みで水彩でもしっかり描けそうです。

”パノラマ”という言葉を久しぶりに目にしたのですが、最近は横に長い画面をよく目にしますね。TVの画面のアスペクト比も今では４：３から１６：９とワイドなものが主流だし、正方形に近いエジソンが考え出した４：３の比率はアナログ世代とともに淘汰されていくのでしょうかね。

デジタルハイビジョンや、シネマスコープの横長いサイズが標準になったなら、昔のTVドラマや映画を左右を切って放送するのでしょうか。そう、いまのワイドスコープ画面を放送するために上下を切る映画の表現（レターボックスというらしい）が９０度変わっちゃうんでしょうかね。

ホームページのデザインも横長なものが多いですね。表現も美しく、画面に広がりが出て、感動しやすいです。人間の目のつくりが上下に情報を入れるより、左右からのほうが楽だと聞いたことがあるし、世の中は、そういう方向に向かうのでしょうか。

どんどん話が脱線してますが、世界基準である紙のサイズ、これもそろそろ変わってもよさそうなんですがねぇ。Aサイズ、Bサイズ。ほとんど比率が変わらない上に太古の人々が生み出した「黄金比」から離れようとはしない超保守的な基準。ものすご細長かったり、それこそTVワイド画面を基準にしたりとか。面白そうなんだけどなぁ。

日本の掛け軸を眺めても、西洋絵画が黄金比に頼る意味がわからなかったり（笑）。掛け軸の佇まいって美しいですよねぇ。縦にながーく切り取られた絵の中に、いろんなドラマが点々とつながってて。１：１．６１８の中に、それを描き出そうとしても、のっぺりしてしまう気がします。私の勝手な意見ですのであしからずです…。

なんてことを考えながら、このスケッチブックを眺めていると、このスケッチブックの比率が世の中のスタンダードになったら楽しいのになぁ。なんて思ってしまいました。新聞、雑誌、ポスター、はがき、辞書とかCDレコードジャケット…。TVの画面だって…！おぉ。楽しい楽しい。とても新鮮。

…。でもこれがスタンダードになった後、また誰かが言うんでしょうね。「つまんないなぁ」と…（笑）さてさて、このスケッチブックも白紙だと、ただの紙っきれ。落書きでもいいから何か描いてみようかな。